どうすればいいのか、私には見当もつかなかった。

とにかく、全て消してしまわなければ。
この本も、この本を読んだ事も、この本に出会った事さえ。
早くこの本を、どこか遠くへ投げ捨ててしまわないと。
もう二度と私の目に触れないように。

そう思った。

私はそう思いながら、この本を抱きしめていた。
両腕で包み込んで、消えてしまわないように。
何処にも行かないように。
壊れてしまわないように、壊してしまわないように。

私は大切そうに、それでもありったけの力を込めて、この本を抱きしめていた。

気がつけば、読み終えてもう1時間以上もの時間が流れていた。

私はどうすればいいのか、本当に皆目見当もつかなかった。

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