「”小指の伝説”って知ってる?」 そう言って君は笑った。
「随分ちゃちな名前の伝説なんだね」なんて僕は笑ったんだっけ。 

どんな伝説だったろう……

 『君の小指のペディキュア、今でも覚えてる。
 最後に君に添えた あの花と同じくらいの赤だった。』

今日は僕が小指に塗ろう。 赤いペディキュア、君の変わりに。
あぁ、そうだ 君は言ってた。

「小指に赤いペディキュアを塗ると、天国へ行けるの。」

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